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皆様、立秋を過ぎましたが、いまだ猛暑、酷暑が続く中、いかがお過ごしでしょうか。なんとなく調子が悪いと感じている方も多くおられるのではないでしょうか。今回は「夏バテ」についてのお話です。
人間のからだは、食事を摂ったり運動したりすることで産み出される熱と、その熱を、血管を広げたり汗腺を広げたりして放散させるバランスにより、体温を一定に保とうとしています。季節の変わり目や猛暑・酷暑の時期に、この熱産生と熱放散のずれが生じ、からだに熱がこもるためにいろいろな症状が出る状態が、いわゆる「夏バテ」です。冷房の効いた部屋と暑い室外との行き来による温度差・湿度差によっても引き起こされます。「暑気あたり」「暑さ負け」「夏負け」などとも呼ばれています。
従って、「夏バテ」は今年のような猛暑・酷暑の時期はもちろん、梅雨の時期や初夏にも起こりますし、また夏の終わりにも起こります。「夏バテ」の症状には、全身のだるさ、食欲低下、睡眠不良、胃腸障害、頭痛、発熱などの広範囲な身体症状とともに。意欲低下や抑うつなどの精神症状があります。
① 睡眠時間を十分に取るために、場合によってはエアコンを使用します。設定温度は28度程度で、室内外の差は5度程度にします。除湿を利用して、湿度を50-60%程度にすることもよいでしょう。風を直接体にはあてると返って血管が収縮して熱放散ができなく逆効果ですので、絶対にしないようにしてください。寝る前にややぬるめのお湯に入浴をする、などもリラックス効果がありお勧めです。
② 十分な栄養をとることが大事です。カロリーとともにビタミンやミネラル、タンパク質を十分に取るように、料理法や味付けも工夫してみてください。
③ 十分な水分を取ることが大事です。あまり冷たくない水や麦茶を少量ずつ頻回に飲むことがよいでしょう。
以上のことに気を付けられて、残暑をうまく乗り切りましょう。
済生会今治第二病院
院長 松浦 文三