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糖尿病のある方は、骨折のリスクが高まることをご存じでしょうか。骨折は、生活の質(QoL)を大きく損ない、健康寿命を縮める原因にもなります。糖尿病において「骨を守る」ことは、とても重要なテーマなのです。
骨の強さは、骨密度と骨質で決められ、骨強度 = 骨密度 + 骨質 です。糖尿病では、骨密度が保たれていても、骨質が低下し、骨がもろくなり、骨折しやすくなります。これは、高血糖によって、骨の細胞の機能が障害され、丈夫な骨の形成ができなくなるからです。糖尿病性腎障害を合併すると骨の形成はさらに悪くなります。また、インスリンの作用不足やカルシウム・ビタミン不足などの不適切な食事療法も骨の形成に影響します。加えて、糖尿病性神経障害や視力低下などの合併症により、転倒のリスクが高まります。
転倒による骨折は、脊椎骨(背骨)、大腿骨頸部(股関節部)、手首に多く見られます。当院に入院される大腿骨頸部骨折の患者さんのうち、糖尿病を合併している方の割合は、一般集団よりも高くなっています。骨の状態の検査は、まずは骨密度検査を行います。骨密度が正常でも、骨質の低下が疑われる場合は、血液や尿を用いて、骨代謝マーカーやビタミンDなどの検査を追加します。
骨を守るためには、糖尿病治療と並行して、
・食事: カルシウム・ビタミンD・たんぱく質を意識して摂取する
・運動: 筋力を保ち、転倒を防ぐ (ウォーキング・体幹トレーニングなど)
・薬物療法: 骨粗鬆症治療薬 (ビスホスホネート、SERM、活性型ビタミンD、ロモソズマブ注射など)
・生活習慣の見直し: 禁煙・節酒・日光浴
を行ってください。
当院は、糖尿病と骨粗鬆症の両方を専門的に診療できる体制を整えています。気になる症状がある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
A.はい。糖尿病は骨の「質」に影響を与え、骨折リスクが高まります。
A .基本的には併用可能ですが、腎機能や低血糖リスクなどを考慮して薬物を選択します。
A.骨密度が正常でも、骨の「質」が低下している場合は骨折リスクがあります。
A.糖尿病がある方は、年1回の骨密度検査をおすすめします。
済生会今治第二病院
院長 松浦 文三
