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10月22日から24日まで、秋晴れの仙台市で開催された第69回日本甲状腺学会学術集会に参加してまいりました。今回の会長は、東北大学の菅原明教授です。菅原明教授には、これまで何度も愛媛にお越しいただいており、日頃から親しくお付き合いをさせていただいております。学術集会のポスターは、晩秋の仙台の定禅寺通や瑞鳳殿を背景に、伊達政宗公のシルエットが浮かび上がり、その周囲に甲状腺をイメージした蝶が舞う蒔絵調の美しいデザインとなっていました。
今回のテーマは、「全身の要としての甲状腺を科学する」です。甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは、全身の様々な臓器に作用するため、その変動は多くの臓器に影響を及ぼします。その意味で、甲状腺はまさに「全身の要」といえるでしょう。甲状腺ホルモン受容体作動性薬であるレスメチロムが、肥満や糖尿病に伴う代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)に有効であることが確認され、一昨年に米国FDAで承認されました。今後、甲状腺と全身の臓器との連関に関する基礎的・臨床的研究がさらに発展することが期待されます。
また、バセドウ病眼症に対する特異的薬剤が本邦で使用できるようになって丸2年が経ち、その有効性や課題についての知見が蓄積されつつあります。今回のシンポジウムや一般演題でも、このテーマが数多く取り上げられていました。さらに、本年6月には米国甲状腺学会から妊娠前および妊娠中の甲状腺の管理に関するガイドラインの改訂版が公表されました。2011年、2017年に続く改訂となり、日本甲状腺学会でも現在改定作業進められていることが報告されました。福島第一原子力発電所事故から15年が経ち、福島県民健康調査甲状腺健診の結果についても報告されました。今後の甲状腺健診の意義やあり方などについて活発に議論が交わされました。今回の学術集会では、基礎研究から臨床事項まで、幅広いテーマが取り上げられ、甲状腺診療に関する最新の知見を得ることができました。
当院は昨年、日本甲状腺学会認定専門医施設の認定を受けるとともに、また福島県民健康調査甲状腺健診の実施機関の認定も受けています。今後も専門性を生かして、地域の皆様に質の高い医療を提供してまいりたいと考えています。
済生会今治第二病院
院長 松浦 文三
