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【コラム】筋肉を守ることは糖尿病治療の一部です。


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印刷用ページを表示する 更新日:2026年2月20日更新

 加齢や病気による筋肉量や筋力が低下した状態を「サルコペニア」と呼びます。サルコペニアは、歩行速度の低下や転倒、日常生活動作(ADL)の低下につながり、要介護となるリスクを高めます。

 糖尿病の方はこのサルコペニアを発症しやすいことが知られています。背景には、食欲低下やインスリン抵抗性による筋肉合成の障害、活動量の低下による筋肉量の減少、慢性炎症による筋肉分解の促進、神経障害などによる運動機能の低下、など複数の要因が関わっています。
また、サルコペニアと肥満が同時に存在する状態を「サルコペニア肥満」といいます。サルコペニア肥満は、体重が重いわりに筋肉量・筋力が少ないために転倒しやすく、脂肪が多く運動不足となりやすいために血糖コントロールが悪化しやすく、結果として糖尿病合併症のリスクも高まります。糖尿病の方はサルコペニア肥満になりやすいため、特に注意が必要です。サルコペニアあるいはサルコペニア肥満の評価には、InBody (インボディ)などの体組成計を用います。体組成計は、生体電気インピーダンス法により筋肉量や脂肪量を推定します。脂肪は電流を通しにくく、水分や筋肉は電流を通しやすいという体の性質を利用し、測定した抵抗値と身長・体重・年齢・性別などの情報から体組成を算出します。

糖尿病治療と並行して筋肉を守るには、以下の取組みが重要です。
 ・運動療法: レジスタンス運動(筋トレ)、有酸素運動(ウォーキングなど)
 ・栄養管理: たんぱく質(1.2~1.5g/kg体重/日)、分岐鎖アミノ酸(BCAA)などの適切な摂取
 ・血糖管理: 低血糖を避けつつ、安定した血糖コントロール
 ・生活習慣の改善: 禁煙、節酒、十分な睡眠

当院は、糖尿病と肥満、サルコペニアを専門的に診療できる体制を整えています。気になる症状のある方、体組成をチェックしてみたい方は、どうぞ早めにご相談ください。

済生会今治第二病院
 院長 松浦 文三