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肥満は、からだに脂肪が蓄積した状態を指し、本邦ではBMI(体重/身長/身長)25以上としています。肥満のうち、肥満に関連する健康障害を合併する例や内臓肥満例は、医学的に減量が必要な「肥満症」という病気です。関連する健康障害は、糖尿病、脂質異常症、高血圧症、痛風・高尿酸血症、心筋梗塞・狭心症、脳卒中、脂肪肝、月経異常・不妊症、睡眠時無呼吸症候群、変形性膝関節症、腎臓病、癌などです。
肥満は成人男性の3割以上、成人女性の2割以上で、増加傾向にあります。また肥満症で内臓肥満、いわゆる「かくれ肥満」は男性の26%、女性の6%にみられ、肥満であるが筋量・筋力低下の「サルコペモア肥満」も増加傾向にあります。
肥満治療の基本は、食事・運動療法、行動療法ですが、BMI35以上の高度肥満例では、減量が困難です。2024年から「肥満症」に対する薬物治療が保険診療で可能となりました。
以下に当院における肥満症治療の流れを示します。
生体電気インピーダンス法を用いて体水分量、筋肉量、脂肪量を測定できます。筋肉量、脂肪量については上肢、体幹、下肢に分けて測定できます。食事療法・運動療法がうまくできているかをチェックできます。