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糖尿病の診療について


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印刷用ページを表示する 更新日:2024年1月12日更新

 糖尿病の診療は、血糖をコントロールするだけでなく、血圧・脂質を改善させ、さらに、体重や筋肉量を理想に近づけていくことが大切です。また、合併症に対しても早め早めに対処し、その重篤化を防ぐことが大切です。
 済生会今治第二病院では、その特徴の一つである “糖尿病外来” を充実させ、糖尿病診
療の大きな柱である食事療法を大切にする「栄養指導を充実させ」、合併症の早期発見・早期治療につなげるべく糖尿病合併症の検査を充実させています。

以下にその一端をお示しします。

A.栄養指導
B.糖尿病の食事療法 [PDFファイル/420KB]      糖尿病の検査
                              1.糖尿病性網膜症
                              2.糖尿病性腎症
                                3.糖尿病性神経障害(Dpn)
                              4.大血管障害(動脈硬化)
                                 ア)Abi/Pwv
                                 イ)頸動脈エコー

 

糖尿病の検査

1.糖尿病性網膜症

 糖尿病性網膜症には「単純網膜症」、「増殖前網膜症」、「増殖網膜症」のそれぞれの時期があります。網膜のどの部分に病変が起こるかにもよりますが、「単純網膜症」、「増殖前網膜症」の時期には症状がないことが多く、失明の危険がある「増殖網膜症」になってはじめて症状が出る方が多いようです。
 網膜症が進まないようにするために糖尿病のコントロール(血糖のコントロール)はもちろん大切ですが、眼科医による定期的な診察が大切です。

 
 以前今治市内の眼科の先生をお招きした勉強会(今治Dmサークル)で糖尿病性網膜症と糖尿病手帳について話し合いをいたしました時に、眼科の先生からは、「現在の糖尿病のコントロール状態がわかるようにHba1cがわかるとありがたい」とのご意見をいただきました。
 眼科受診の際には最新の検査結果を1枚お持ちいただき、眼科の先生(あるいは受付)でお見せしてください。(もし)次の診察までに眼科を受診される方は検査結果を1枚余分に差し上げますので、おっしゃってください。(紹介状が必要な方もお申し出ください。)
 糖尿病眼手帳 
△ 糖尿病眼手帳です。糖尿病網膜症に関する情報の共有に使われます

 

2.糖尿病性腎症

  糖尿病患者の42%の方に糖尿病腎性が起こっています。早期の腎症は全く症状がありません。尿中アルブミンを測定して初めて腎症の有無が分かります。
 当院では、全く腎障害の兆候のない方では半年に1回尿中アルブミンを測定し、腎障害の始まりかけた方は3ヶ月に1回の尿中アルブミンの測定をお勧めしています。

 
 日本糖尿病対策推進会議  腎症の進行防止のためには血糖・血圧の改善、脂質の改善が大切です。さらに、減塩・肥満の是正も大切です。適切な時期にお薬の使用もお勧めいたします。

 

3.糖尿病性神経障害

 糖尿病性神経障害は、糖尿病の合併症として比較的早期に起こり始めます。糖尿病性神経障害はそれぞれの症状が苦痛になるだけでなく、それ自体が足の切断や重篤な合併症(突然死)の引き金になる可能性のある重大な合併症です。

下記の症状は糖尿病性神経障害の代表的なものです。
1.手のしびれ
2.足のしびれ
3.手の痛み
4.足の痛み
5.足が冷える
6.足の裏に紙が貼っている感じ
7.砂利の上を歩く
8.無発汗(汗をかかない。)
9.便秘
10.下痢
11.こむらがえり(足のふくらはぎがつる。)

神経障害による症状は増悪と寛解を繰り返します。しかし、症状が改善した時も神経障害自体が改善したわけではなく、神経障害は進行しています。


Dpn
△ 神経の検査(Dpn)の器械です。1年に1回の神経の検査をお勧めします。

 

4.動脈硬化(大血管合併症)

 動脈硬化は大血管障害とも呼ばれ、脳卒中、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)を引き起こし、ひどい場合には生命が危険になる合併症です。

済生会今治第二病院では動脈硬化を評価する検査として、
1.Abi/Pwv: 手足の血管が狭くなっていないかどうか(Abi)
          血管の全体としての動脈硬化の程度をみる検査(Pwv)

2.頸動脈エコー(頸動脈Imt(中膜内膜肥厚度)): 脳あるいは心臓の血管の動脈硬化や狭窄をみる検査(より直接的に脳梗塞、心筋梗塞の危険性を調べます。) を主に行っています。

 

ア)Abi/Pwv

【Abi】  足関節の収縮期血圧を上腕の収縮期血圧で割った値です。この値が低いほど、足の動脈狭窄がある可能性が高くなります。

【Pwv】 やわらかい血管は心臓から押し出された血液を一度チューブがふくらむことにより蓄えますので、脈波はゆっくり進みます。それに対して硬い血管はふくらむことが出来ませんので、脈波は早く進みます。この脈波の速さを測ったものがPwvです。Pwvの値が高いほど心臓や臓器の負担が大きくなり、心血管病の危険が高まります。

 Pwv/Abiの検査は約10分程度で終わる簡単な(痛くない)検査です。糖尿病の方に限らず、動脈硬化のおこりやすい病気(高血圧、高脂血症など)の方は検査されることをお勧めします。

計測
△ 実際の検査はこのようにして行います。

 

イ)頸動脈エコー

 頸動脈(頭に行く血管)のImt(中膜内膜複合体厚)が心血管疾患(心筋梗塞や脳卒中)のスクリーニング方法として評価されています。
 Abi/Pwvが手足の血管の狭窄(せまくなること)や動脈の硬さを評価するので、体全体の動脈硬化を調べる検査であるのに対して、頸動脈のImtは頭に行く血管の動脈の壁の厚さを直接計測するもので、心筋梗塞・脳卒中により関係の深い検査になります。
 頸動脈(頭に行く血管)のImt(中膜内膜複合体厚)が厚いと心筋梗塞・脳卒中の危険性が高いと評価されています。また、局所性脳動脈硬化であるプラークの存在も心筋梗塞・脳卒中の危険性を示す要因とされています。毎年、Imtが厚かったり、プラーク(こぶのような隆起)があった方の中に脳血管や心臓の血管(冠動脈)の狭窄が見つかった方が大勢いらっしゃいます。

県動脈エコー
△ 実際に頸動脈のImtを測定する様子です。超音波(耳に聞こえない音)を使う検査で腹部エコー、甲状腺エコーと同様の仕組みですので、痛みなどの苦痛はありません。

頸動脈エコー(頸動脈Imt(中膜内膜肥厚度)):               脳あるいは心臓の血管の動脈硬化や狭窄をみる検査(より直接的に脳梗塞、心筋梗塞の危険性を調べます。)

 

 

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