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当院は地域がん診療連携拠点病院として、地域のみなさまにより質の高いがんの診断・治療を行うために、PET-CT検査装置を導入しています。
PET-CT検査はがん画像診断検査の一つであり、従来の検査と組み合わせることでがんの発見と治療により威力を発揮することができます。
PETとは、日本語で「ポジトロン断層撮影法(Positron Emission Tomography)」といい、「身体の機能や代謝の状態」を見る検査です。
CT(Computed Tomography)は部分的に体内の腫瘍の「部位や形や大きさ」を見る検査です。
PET-CTはこの二つの利点を組み合わせることで、より正確に診断することができます。
がんを効果的に治療するには、まず早期発見、次に発見したがん細胞の成長状態を把握する必要があります。
PET-CTは1cm前後のがんを発見することができ、その悪性度・進展度の診断と同時に原発巣・転移部位などが一度で検索できる有効な検査です。
PET-CTのがん検出率は普通の検診の数倍とも言われています。ただし、がんの種類・分化度によっては数cmでも陽性(発見できる反応)にならない場合もあります。
PET-CTによりがんの発見・悪性度の確認ができるので、適切な治療方針をたて、早期治療が可能となり、その結果、医療費の負担軽減にもつながります。
PETとCTが一体となった筒状の装置となっています。
(1)
がん細胞は一般的に正常な細胞より糖代謝が活発なため、正常な細胞の3~8倍ものブドウ糖を取り込む性質があります。
(2)
そこでFDGという検査薬を使用します。FDGはブドウ糖に放射性物質を合成したもので、がんの位置を知らせる発信機の働きをします。
(3)
静脈からFDGを注射し、約1時間安静にして全身に行き渡らせます。がん細胞はFCGをブドウ糖と勘違いし取り込みます。
(4)
PET-CT装置がFDGから出る放射線を検知しがんの有無や位置を特定します。
検査前5時間は絶食です(糖分のない水かお茶は飲んでもよい)。
安静時間中もPET-CT管理区域からは出られません。約3~4時間拘束されます。
安静中に水またはお茶を500mlほど飲んでいただきます。これは、画像を良くするためと被ばくを減少させるためです。検査による被ばくは胃のX線検査や人が1年間に自然界から受ける放射線量と同程度であり、健康に悪影響はありません。安心してお受けください。
しかし、PET-CT検査も万能ではありません。がんの種類により発見・検出できない物があり、他の検査が必要になる場合があることをご理解ください。
詳細については、放射線科・核診断エリアまでお問い合わせください。
PET-CTでのがん検診をご希望の方は、当院の健診センターでご予約ください。
詳細は、下記のリンク先をご覧ください。