リハビリ便り
桜の花も終わり、過ごしやすい季節になってきました。4月5月は外出や体を動かすのに絶好の時期ですね。リハビリでも多くの方に、気持ちのいい空気を吸いながら歩くことをお勧めして体力をつけるようお伝えしています。
そこで今回は 『 ただ歩く 』 でなく、身体の動かし方を意識して、 『 効果的に歩く 』 について考えてみたいと思います。
歩く時のチェックポイント
歩く時の身体の状態について、あまり意識していない方がいるかもしれません。しかし、姿勢や腕や脚の動かし方で効果が大きく変わってきます。
- 上半身の姿勢について
右のイラストのように猫背だったり、前かがみで歩いていませんか?
前かがみの姿勢は、通常よりも骨盤が前に傾いてしまい、背中から腰でブレーキをかけることが必要になります。そのため、背中の筋肉の負担が大きくなり、腰痛の原因になってしまいます。また、後ろにのけぞった姿勢は前進する勢いが小さく、歩くスピードも遅くなりエネルギーロスに繋がってしまいます。
- 腕の動かし方(振り方)について
腕を軽く曲げて前後(特に後ろ)に振れていますか?
腕の振りが少なくなると、上半身をひねることが必要となり、腕を振る場合と比較して12%余計にエネルギーが必要となると言われています。また、歩く時の上下のブレを抑制する働きがあることも分かっています。『 腕を振らないと 上下方向の動きは振った時の63%も上昇する 』 との研究もあり、よりコントロールが必要になります。
- 脚の動かし方について
歩幅は小さくありませんか?しっかり地面を蹴っていますか?
歩幅を広く出すためにはお尻周りの筋肉の力が必要となります。この筋肉は加齢により衰えやすく、使わなければ筋肉自体が硬くなってしまいます。 『 歩幅が広い人は寿命も長い 』 という研究もあるほどなので、特に押さえておきたいポイントです。
正しい歩き方のおさらい
- 耳から肩、腰、股関節まで一直線になるように姿勢を伸ばし、骨盤を傾けないようにする。
- 腕を軽く曲げ、大きく前後に振る。
- 前に出す脚は膝を伸ばして踵から着地し、後ろの脚はつま先で地面を蹴るようにして、やや広めの歩幅を意識します。
…せっかく歩いても、間違った方法では思うような効果が出にくくなります。 健康になろうと努力しているのに、痛みや不調が出てきてしまった…では逆効果です。歩く距離や時間を延ばすと同時に、ご自身の歩き方も一緒に振り返ってみてはいかがでしょうか。
暑い夏を乗り切るためにも、今のうちから体力作りを一緒にがんばりましょう!!