本文
サイバーナイフ
2004年4月より当院で稼働しておりましたサイバーナイフが、2017年2月より定位放射線治療装置サイバーナイフへ更新しました。
●CyberKnifeとは?
当院のサイバーナイフ
産業用の6軸ロボットアームに小型リニアックを搭載した定位放射線治療専用の装置です。
サイバーナイフは低侵襲な定位放射線治療を可能にするよう設計されています。1回の治療において約100地点から弱い放射線を病変に向けて照射することで、正常組織への影響を最小限に抑えつつ、病変には放射線を集中させることができます。
サイバーナイフの特徴
高精度
巡航ミサイルのナビゲーション機能を応用して開発されたTarget Locating System (TLS) という病変追尾システムにより、治療中適宜取得したX線画像を用いて0.1mm単位で病変の位置を確認します。仮に病変にズレが生じていた場合ロボットアームで補正することで、常に病変を高精度に追尾することができます。
また呼吸により動く病変に対しては、呼吸パターンを認識し自由呼吸下で病変を追尾しながら治療することが可能です。
サイバーナイフM6の構成((1) 産業用ロボット、(2) 小型リニアック、(3) コリメータチェンジャー、(4) 画像照合用X線発生装置、(5) 画像検出装置、(6) 患者寝台、(7) 呼吸追尾用赤外線カメラ)
ロボットの移動のイメージ 病変のズレに合わせながらロボットアームが動き、多方向から次々に病変めがけて照射していきます。
低侵襲
痛みを伴う金属フレームによる頭蓋骨への固定が不要です。頭頚部ではプラスチック製のマスク、体幹部では吸引式の型枠をそれぞれ患者様毎に作成し、治療時のみ使用します。そのため患者様の負担が少なく、麻酔も必要がありません。治療中は息止めや大掛かりな固定などが不要で、患者様は安静に寝ているだけでよく、途中休憩をとることも可能です。
放射線が体に当たっても痛みはほとんど感じないため、患者様への負担が少ない、優しい治療と言えます。
サイバーナイフによる頭部定位放射線治療の様子。頭頚部ではプラスチック製のマスクを装着して治療を行います。治療途中にマスクを外して休憩をとることも可能です。
治療自由度
低侵襲で簡単な固定のおかげで、正常組織への影響を抑えるために数日間に及ぶ分割照射が可能です。また、ロボットアームによる超多方向(選択肢2000~6000)からの照射が可能で、病変の位置に係わらず均等な放射線分布を作成することが可能です。
適応疾患
頭頚部病変
髄膜種、下垂体腺腫、聴神経鞘腫、髄膜腫などの良性腫瘍
転移性脳腫瘍や悪性神経膠腫などの悪性腫瘍
脳動静脈奇形などの血管病変
耳鼻科、口腔外科、眼科領域の腫瘍
頸部リンパ節、骨などの転移性腫瘍
三叉神経痛(保険適用外)
脊椎・脊髄病変
原発性脊髄・脊椎腫瘍
転移性脊髄・脊椎腫瘍
脊椎近傍腫瘍
脊髄動静脈奇形
その他
原発性/転移性肺腫瘍
原発性/転移性肝腫瘍
前立腺がん
その他の原発性/転移性体幹部腫瘍
治療までの流れ
担当医の先生から当院の総合医療支援室までご連絡を頂ければ、診察・治療の予約を行います。併せて診療情報提供書等を紹介元医療機関様より総合医療支援室宛にFAX等でいただければ幸いです。