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遺伝子検査室

印刷ページ表示 更新日:2019年4月15日更新

 遺伝子検査は現在、ゲノム医療・個別化医療の時代を迎えようとしていますが、検査項目によっては、まだまだ簡単に日常臨床検査レベルで行える検査ではありません。
 遺伝子関連検査は検査対象によって、感染症の原因となるウイルス・細菌などの外来遺伝子を調べる「病原体遺伝子検査(病原体核酸検査)」、腫瘍細胞における体細胞系列の後天的変異や発現異常を調べる「体細胞遺伝子検査」、生来的に保有し、生涯変化しない遺伝子学的情報を明らかにする「遺伝学的検査」または「生殖細胞系列遺伝子検査」に分類・定義されます。
 当検査部は、この中で「病原体遺伝子検査」に属するB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、抗酸菌をReal-time PCR法で実施しています。これらの検査は、保険収載され臨床的有用性の明らかな項目であり、大変有意義な検査になります。

病原体遺伝子を調べる検査(PCR法)

 生物の遺伝子を担っているのは、核酸(DNAまたはRNA)と呼ばれる分子です。動物、細菌、真菌、ウイルスなどすべての生命体の細胞に存在しています。
 DNA分子は相補的な2本の鎖がらせん状に連なった構造になっています。この2本鎖は、塩基・糖・リン酸の3つの成分からできた「ヌクレオチド」と呼ばれる構成単位がつながってできています。塩基にはアデニン(A) 、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン (C)の4種類があり、AはTと、GはCと必ずペアを組むようになっています。
 感染症を診断するための遺伝子検査では、喀痰、髄液、血液などの検体からDNAを取り出しますが、病原体のゲノムとヒトのゲノムが一緒に抽出されるため、途方もない数の核酸が含まれることになります。
 この広大無辺な核酸の溶液中から、病原体のDNAを探し当てるには特別な仕組みが必要です。その病原体にしかない特定の塩基配列を、探し出して増やす仕組みが「ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)」です。増やしたDNAには病原体を特定できる「指紋」のような塩基配列が含まれ、これを解読すれば病原体の名前を決定する有力な手がかりになります。

 当検査室の遺伝子検査

B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、抗酸菌をReal-time PCR法で実施

 ※Real-time PCR法とは、核酸増幅と蛍光検出器を一体化した装置を用いて、PCR産物の増幅過程をリアルタイムに検出、解析する方法

■Real-time PCR法の流れ
核酸抽出 血液、体液、喀痰、組織など採取した材料から核酸を取り出す

核酸増幅・増幅産物の検出

・解析したい領域の増幅(PCR)

・PCR産物量を反映して増幅する蛍光シグナルを測定することにより、標的遺伝子の濃度を測定

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