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院長 松野 剛
令和2年度の初頭に当たり、ご挨拶申し上げます。
本年度は東京オリンピックの年として華やかな1年になるはずでした。残念ながら中国発の新型コロナウィルス感染症COVID-19の世界中への蔓延のため、多くの制限を強いられる年になりました。当院も日々、COVID-19の対策会議を行い、職員への周知、PCR検査の検体採取、COVID-19感染疑いの重症者の受け入れ準備などを、今治保健所や今治市医師会と連携して行ってきました。愛媛県での5月の院内感染関係症例以後に陽性者の報告はなく、6月初旬で今治市には感染者の報告はありません。何とか感染制御ができているようです。
さて、4月から5名の初期研修医が臨床研修をスタートしました。コロナウィルスのため多職種でのオリエンテーションや歓迎会ができずに申し訳ないところです。しかし、指導医がマンツーマンで対応してくれており、研修は順調のようです。コメディカルの新人も一生懸命頑張って仕事を覚えています。
本年度は肺がんの診療が充実されました。これまで呼吸器外科は肺がんを中心に手術を担当し、放射線治療についてもリニアックとサイバーナイフで行ってきました。以前は薬物療法専門医が肺がんの化学療法を担当してくれていましたが、転勤により非常勤の医師で対応していました。本年度より呼吸器内科医が3名体制で診療を開始できました。トップは四国がんセンターで活躍されてきた野上尚之先生、愛媛大学第二内科より中堅の加藤高英先生と杉本英司先生が着任されました。放射線治療も長年、四国がんセンターで愛媛県の放射線治療を牽引してこられた片岡正明先生が常勤として着任されました。これらの診療体制により肺がんの診断と三つの治療体制が整い、今治でも肺がん診療が完結できるようになりました。消化器系の胃がん、大腸がん、肝がんと乳がんに加え、現在死亡数が一番高い肺がんを含めた五大がんの診療を高いレベルで提供できるようになりました。
本年度も多くの研修医と新しい医療スタッフと共に職員一同済生の精神に基づいて、今治の医療を支えます。
(令和2年6月)